3回忌(中編)

そんなオヤジから本当に何年かぶりにお袋に連絡あったとの事で大至急帰ってきて欲しいと連絡があった。
俺は当時所沢に住み池袋で働いていたので結構遠く面倒臭く思ってた気がする・・・w

何か電話越しにオヤジがガンで入院しないといけないと言われても何かピンと来なかったのも事実だった。
しかしオヤジに十何年ぶりに再会し、その思いは全て消えた・・・

オヤジは市場勤務の屈強な肉体を売りにした本当に強いオヤジだった・・・
俺が中学・高校とヤンチャの限りを尽くしていた頃でも全くと言って言い程敵わなかった・・・

そんなオヤジだから安心してたのもあったのだが、久しぶりに会ったオヤジは本当に痩せてしまい
一回りも二回りも小さくなっていて筋骨隆々だったオヤジの面影は何一つ残されていなかった・・・

そしてオヤジとお袋が前を歩き、その後ろを俺と妹がついて行くという、これまた何十年ぶりの
我が家の散歩?では無いがお出かけスタイルで病院に向かったのだが
そこで又、オヤジの背中が小さくて本当にショックを受けた・・・

その後入院→手術→退院となるのだが、手術では胃を全摘し胆嚢も念の為取ったとの事。
術後に呼ばれ先生から摘出した臓器を見せられながらの説明を受けた・・・
スキルス性ガンの怖さ、ガンの見える部位、そして念の為に摘出した胆嚢を目の前で
メスで切り込みを入れ破裂させて、その場で転移が無いかの確認までさせられた・・・

その後のオヤジは麻酔で意識が低下しているにも関わらず痛みに悶えて居た・・・
そんなオヤジを見るのが辛くて何度も泣きそうになりながら背中をさすったり
声を掛けることしか出来なかった・・・