VoIPでspam!?VoIPにspam!?

★「スパムに狙われるIP電話

総務省によると、2004年12月末にIP電話の利用数は730万件にのぼると発表されております。2003年12月末から1ヶ月平均30万弱のペースで増加しており、このペースで増えるとすると2005年末には1000万件を超えるものと予想されます。

こうしたIP電話の普及にともないIP電話に対するスパム「SPIT(spamover internet telephony)」による被害が報告されるようになりました。

SPITの定義はまだはっきりしたものはありませんが、一般的には「着信側が必要としていない音声による広告を自動的に生成して、電話番号などのリストにIP電話で送りつける行為」とされています。

国内ではsoftbankBBNTTコミュニケーションズNiftyのユーザより被害が報告されています。softbankBBの場合、発信元着信先はともにBBフォンの050番号でした。

通話の内容は自動音声応答によってユーザをアダルトサイトへ誘導しようとするもの個人情報を入力させようとするもの、さらにいわゆるワン切りが確認されています。

NTTコミュニケーションズでは同社のIPセントレックスを利用している企業ユーザがやはりアダルト関連の宣伝をする迷惑通話の被害にあっています。

3つの事例とも、同じVoIP基盤網につながっているIP電話からIP電話への発信でした。

ではなぜこのようなことが起こるのでしょう?
技術面では、IP電話の呼制御プログラムであるSIP(Session Initiation Protocol)はオープン仕様であり、自動的に発信するプログラムを作るのが容易であることが要因としてあげられます。

さらに費用面で考えると、同じVoIP基盤網内であれば通話料はゼロなので、非常に安い送信コストで済むことが送り手にとって大きな魅力になっているということです。
スパムは決して広告効果が高いわけではありませんが、こうした手軽さ低コストであることが誘引となって、今後さらにSPITが拡がることが懸念されています。

SPITによる被害を受けて、通信事業者は対策に乗り出しています。
例えば制度面では、softbankBBがSPITで大量発信した法人ユーザについて強制解約の処置をとっています。NTTコミュニケーションズNiftyも2005年3月にユーザ向けの契約約款を変更しています。

技術面では、NTT東西会社やKDDI、softbankBBらが「着信拒否サービス」オプションサービスとして提供しており、他社も同様の動きを見せています。

また、データベースを基にして登録した相手(ホワイトリストからだけ着信が可能な仕組みも注目されています。
しかしこれが可能となるのは、発信者番号が偽装されていないことが前提であり、今後の課題となっています。

さらに、発信者のコストを上げるために、大量呼の発信には発信側に対して呼ごとに課金を行い、着信側が通話を受けたら返金し、拒否すれば返さないというアイディアも提案されています。

通信事業者には頭の痛い話ではありますが、ユーザの不信感や被害を最小限に抑えるために、業界全体で情報共有を進め、制度面・技術面についてさらに強化していく必要があるでしょう。

(株)情報通信総合研究所:http://www.icr.co.jp/
川上晶子(マーケティング・ソリューション研究グループ・研究員)



IP電話提供者側からしてみると本当に頭の痛い話しになってきた・・・
こういった大量発信によるトラフィックの占有もそうだが、メールの様に見なけりゃ良いって話しでなく電話だとついつい出ちゃうって事も考えられるので非常に怖い・・・多少なりとも知識のある人間が電話に常に出るのなら良いが子供やお年寄りが何も分からず・・・ってのも無きにしも非ずだろうし・・・

そういった消費者からは間違いなく苦情として提供者側へ返ってくる事になるだろう・・・
私が携わっているISPも最近VoIPサービスを開始したのだが、ココらへんの対応がどうなってるのか微妙・・・ウチのサービスは基本的にヘビーユーザー向けで無いので正直ユーザーのリテラシーは低い・・・なので余計に対策なり注意喚起なりが必要だと思うのだけどね・・・

クレームが嫌、ウチは関係ないではなくて、単純にウチのお客さんには安心してインターネット環境を使ってもらいたいし、その為の努力は怠らないようにしないとなって思う訳なんだけどね・・・いくら安いとは言ってもお客さんの身銭から俺らは食わしてもらってる訳だし・・・でも度を越えたクレームは勘弁ねw

そういや俺の家はNiftyIP電話を使ってるんだけど、こういった類のモノは来た事ないなぁ・・・メールのSPAMはしょっちゅうだけどw

みなさんSPITって経験あります?